今年は9月29日が中秋の名月です。中秋の名月とは、月見にちょうどよい秋の月ということです。
月見の風習は、日本には千年以上前に中国から伝わってきました。元々は貴族が船に乗り、お酒を飲みながら月を眺め、詩を読んだり音楽を演奏したりする習慣だったようです。今では月を見てお団子を食べるだけ、という人も多いでしょうね。街灯やお店、看板の明かりで夜が明るくなりましたから、月や星を眺めるのは難しくなりました。本当は収穫のお祝いとして、稲穂に見立てたススキを飾るのだそうです。私の母は玄関に花を生けていましたが、この時期はススキを取り入れた生け花が飾られていたように思います。
東アジアのいろいろな国には月見の習慣があるようです。中国では月餅を食べますし、ベトナムでは獅子舞のような催しがあるそうです。皆さんもバイトの帰りなど、たまには月を見上げてみてはどうでしょうか。身近な自然の美しさに気づくことも、人生を豊かにしてくれると思いますよ。